僕らの南極

セカペンたちの知っていること、考えてきたことの記録

子どもと「科学」

 「○年の科学」という雑誌を知っていますか?

 私はこの学研が出している「科学」のシリーズを1年生の頃から定期購読をしていました。毎月、家に届く雑誌や付録を楽しみにしていたのを覚えています。ふと、「子どもの科学ってあったな」と思って調べてみると、NAVERのまとめに行き会ったので、子どもと科学について書いてみようと思い、この記事を書いています。 


【学研】「科学と学習」の付録 画像集 - NAVER まとめ

 ほとんどの人は「大人の科学なら見たことがあるけど……」というかもしれませんね。私たちが子どもの頃(2000〜2007)までは「大人の科学」のように書店で販売していたこともあるのですが、現在では廃刊となってしまった雑誌です。代わりに、「大人の科学」はどんどんと新しいものができているようですね。

 

 子どもにとって「科学」とはなんでしょう。私は一言で表現するなら「ワクワク」だと思っています。花の匂いを嗅いでみてワクワク。生き物が動くのを見てワクワク。よくわからない粉末や液体を混ぜてみてワクワク。いろいろなワクワクによって、子どもたちは遊びながら「科学体験」をしています。大事なのは「科学」であることよりも、自分で「体験している」ということだと、私は思います。

 ただ物事を知るだけならば映像でいいじゃないか。そんな意見があるかもしれませんね。映像でしたら確かに子どもが予想外のことをするという不安は全くないですね(もちろん、大人しく見ていてくれればの話ですが)。映像でワクワクすることができることも否定しません。しかし、それはあくまで大人のための都合です。私がここでお話したいのは、子どものためのものであり、あくまで強制的にされるものではなく、子どもがなにげなしに手にして遊んでしまう自主的な科学との触れ合いです

 しかし、私は映像による学び、特にモニターを介した学びというものを完全に否定するつもりはありません。それが子どもよって自主的に見ているものであれば、それは立派な教材であり、遊び道具です。映像による学びとして今注目しているものは、ゲーム機を通した教育ソフトです。それらを少し見てみましょう。

 

花といきもの立体図鑑

花といきもの立体図鑑

 

  まず、DSのソフトをご紹介。もう一つ、3DSの『アースペディア』というゲームも紹介したかったのですが、これに関しては漢字が多く使われていることから中学・高校向けかなと思ってはずしました。

 さて、DSソフトの利点として、持ち運びがしやすい・すぐに起動できる・映像が見られるというものがあります。なにか気になることがあったときに家に戻るまでの宿題にせずに、その場で好奇心を満たすことができます。また、暇な時に眺めているだけでも面白いというところがあります。生き物が動いている様子というのも良い刺激になるのではないでしょうか。

 一方で、90年代にも「教育ソフト」というものがありました。そのワクワクの一つをご紹介します。以下に貼った映像は1995年に作られた「The way things work」というパソコンのソフトです。日本語では「道具と機械の本――てこからコンピューターまで」という大型本で販売されています。これはただ映像を見るだけではなくて、ポインタを気になるところに合わせてクリックをするとムービーがはじまって画面が動きます。詳しくは、このyoutubeの動画を見ていただけたらと思います。

 


The Way Things Work - All Mammoth Movies - YouTube

 ここまで、機械を通した映像のワクワクを紹介してきたのですが、こうしたワクワクのものはいまや少なくなってきています。教育ソフトとなると、どうしても実用的なもの(これは点数になりやすいものと言い換えられますね)に偏ってしまいます。また、DS等のゲームソフトとなると、当たり前のことですが、ゲームを買います。要するに、こうした図鑑ソフトを作ったところで売れるかどうか怪しいという問題があるのです。

 スーパーサイエンスハイスクールという制度をみれば分かるように、近年"サイエンス"というものに興味を持ってほしいという流れがあります。一方で、小学生(場所によっては中学生も)の科学実験は危ないから学校ではしないという流れもあります。この状況で、子どもたちはいつ科学の「ワクワク」を体験できるのでしょうか。ワクワクのない科学は学問の範疇をぬけることができず、点数になるものしか関心がでなくなるのではないでしょうか。

 科学の「ワクワク」をどう子どもたちに渡すか。それを少し考えてみませんか?