僕らの南極

セカペンたちの知っていること、考えてきたことの記録

「愛とは何ぞ」ときいてみた

ふと気になって、愛とは何かを女たちにきいてみた

「愛とは何だ」と水月にきいた。それに水月は万年筆を持った手を止めて答えた。

 愛ですか? ……私にはちょっとはっきりとしたコメントを出すことができません。強いて言えば、一緒にいたいってことですかね。一人でいることに慣れてしまっている私にとっては、人が私と一緒にいてくださっているということはとても幸せなことなんです。でも、それは「誰でもいい」というものではないんです。「誰といたいですか?」と聞かれたら「彼だ」とこたえられる。

 それに、彼と「私」として初めて話をしたのは私なのだということで、彼にとっての「私」という印象はこの私に強く残っているでしょう。私が泡と消えたとしても、彼は私の名前を聞けば私のこの話し方を、この声を、この存在を絶対に思い出しますよ。絶対に

 それが「愛」なんじゃないでしょうか?

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「愛とは何だ」と二号に聞いてみた。いつものねむそうな目でこっちを見て、二号は答えた。

 その人しかいらないこと。また、その人がいないと私が死ぬこと。私、彼がいないと急いで死ぬ。離れて気が狂うことはもうはっきりと分かったから。これ以上人格が増えてほしくないでしょ?

 私は彼を無条件で肯定する。彼を否定するのは彼にとって不利益なことだけ。例えば、ぽんと喧嘩したときだったら、ぽんと彼の今後を考えてお互いに話し合わせることをするけど、他の人が彼の事を嫌っているときいたら「その人がおかしい人なんだ」と即答する。実際にそう思っているしね。

 あと、「愛している」って言ったら「愛している」ってかえってくる。それを定期的に確認し合い、想いを知る。それだけでもう充分な「」だよ。

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「愛とはなんだ」とぽんに聞いてみた。「それは私と答えようぞ?」とどこかの歌詞を引用してきた。

 愛ってきかれても、ぽんにはよくわかんないかなー。執着と同じものだと思うけどねー。独占欲とはちょっと違うよー、執着のこと。その人を自分だけのものだけにしたいってだけだったら、その人が自分だけのものになったら退屈しちゃうでしょ? 「こんなもんかー」ってなっちゃうでしょ?

 ぽんが言う執着っていうのはねー、「一緒にいたい」「離したくない」「いつも心に想う」ってのと一緒だよ。特に、離したくないってのが大事なのかな。近くにいたら手を伸ばして触れずにはいられないってのだね。それが情欲だけならセックスすれば離れてしまうから、それとも違うなー。ただ身体のどこかが触れるだけで満足しちゃうのだ。

 あ、でも、キスしているときにこのまま相手を食べちゃいたいっていうのも愛かもねー! 

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 うーん。愛は分からん。