Twitter短歌(11/17〜1/20)
Twitterにあげた短歌をまとめました。上が新しいものです(誰のか間違ってたらごめんなさい)。
●……水月 ●……二号 ●……悠 ●……うな ●……ぽん
●本を読む 木陰くらいの明るさで 空のしおりとやさしいひかり
●さようなら置いてかないで繰り返し 恋の最期は徒労で終わる
●下校時にすれ違いざま「嫌ってよ」 誰の声かは分からないまま
●いなくなる数日前の出来事を 思い出せずに水を飲み込む
●花たちに火をつけまわり花見する もえろよもえろ いざ最期まで
●すれ違う むかしの恋愛 かげぼうし いつまでたっても消えない人よ
●花ばたけ 傘ふり回し 花散らす 空も樹も葉も 誰も見ないで
●「あの子だれ?」「元恋人」と胸痛む 昔のことが夢となり去る
●「元カレ」の言葉の軽さその裏に潰されそうな数多の想い
●なくなった子どもの心しりたくて ブランコの上 鎖がきしむ
●「好き」という あなたの言葉 そのうらに いつもわたしを 想い浮かべて
●君の本こっそりはさんだしおりの絵 クローバーマーク 言葉に気付いて
●はいどうぞ シャンパングラス手渡しで 受け取る君にリナリア代わり
●山の中やーやーやーと声がして振り返る道 深い赤色
●唇にそっとひとすじ紅をさす その唇であなたにふれる
●年の瀬に人の顔たち浮かびあげ その色合いに花を浮かべる
●「さようなら」あの街なみで聞いたこと 思い出せずにつのる想いよ
●水の先 どこかにいると分かっても 見えぬうちはと水かさを増す
●君いない 曇りの街を歩いてく 君がいなきゃ息もできない
●動く分 電気がついた廊下へと ゆっくりすすみ私を知らせる
●雨音に閉じ込められた世界にて かさかたつむり 空も見えない
●青空を仰ぎ見ては雨想う 雨がなければ僕はひとりだ
●まだ降らぬ雨空の下 一人だけ傘をさしてる予言者気取り
●雨の中 あおぞらいろの傘広げ 私の空を晴れにしてゆく
●自撮り会 新しいメガネ買ったんだ 君と意見が合うといいなって
●夕暮れにすいへーりーべー言う子ども 少しすすんだ大人の気分
●春に詩を夏にめまいを秋に絵を冬に心を僕には花を
●あまいもの口に含んだ君の顔 一瞬歪むところが見えた
●太陽は冬が好きだよ本当はね 陽だまりのこと好いてくれるから
●大空の雲のクジラが声かける 大人の君はもう乗れないよ
●バス降りてふらつく足で街に立つ あけたばかりの朝がまぶしい
●『バス乗った』寝る前にきたメール見て 待ち遠しくて寝られなくなる
●君想い外の灯りを見られずに 揺れる車内で眠るしかない
●できるなら海に沈んでいきたいと 言ってた君は土の中へと
●冬空に君の面影さがしてる 僕を残した陽だまりの死だ
●かくれんぼ ふとんの外はこわいから いちにのさんでおやすみなさい
●花言葉つたわるなんて思わない 偶然でいい、こんな告白
●生きてなお 自分が生きる理由知らず 変わる景色を見るだけでいい
●沈黙が闇夜の音を響かせて 気配を頼り朝まで語る
●死にたいと思う度に早くなる 心臓の音 時限爆弾
●ビル街のプラネタリウム 夢を見る ほんとの空は家の中から
●街の音 機会仕掛けの音だらけ それでも風は拭き続けてて
●昔から変わってしまった故郷の死 僕を大人にした僕への怨み
●洗面所 生きると死ぬのどっちがいい 外出る前におやすみなさい
●追いかけて待ってころんで邪魔されて 君まであとは何キロメートル
●くらやみで物投げ泣く臥して泣く 私の神は未だ不在で
●人工の花畑見てため息を 花を誘った人々の業
●シャッターが閉まった街で大の字に 明日は晴れだ 下駄の気分で
●僕自身 神様なんかじゃないけれど 君の言葉で僕に願ってよ
●やわらかな唇にそっと触れてみる 度数の強さに眩んでしまう
●花散らす悪代官の孫息子 花の姿を葉っぱが見ていた
●やわらかな唇にそっと触れてみる お酒の入ったグラスとキスを
●唇にあなたが触れた夢を見た そう言う君の唇を見る
●お風呂場の鏡のアリス叩き割る ウサギを追わずここから出るの
●水の上あなたに触れた指先が あなたではない雫をたらす
●赤と赤 それ以外のは死んだとさ。 空飛ぶ鳥が嘆いていたよ。
●窓の外 曇りに雲が重なって 夜の名残を止めようとする
●満員のバスの中で思うこと 私の乗車誰かの絶望
●対岸の君のところに行きたくて 泳いで消えた泡沫の恋
●空あおぎ 光をもとめ目をこらす プラネタリウムよりも見えない
●部屋の中プラネタリウムつけてみる 部屋の電気がきっても邪魔で
●ドレミファソ一つの音に色一つ 色つき鬼を君と二人で
●赤黄色 青緑白 キャンパスの上でだけでも 君に触れたい
●赤の空 青の光を吸い込んで 人の作った光をつける
●声すらも知らない彼が好きだって 言う君すらも僕は好きなのに
●あなたへの思い届かず冬になる 嫌うためにもあなたに会うの
●再会し愛がこもった花束を 「自己愛でしょ?」と投げ捨てる春
●春がきて違うクラスになった彼 あのときめきはもうないと知る
●こんなにもつらい想いをするならば 言いかけてすぐ無理だと気づく
●親のもと帰りたいとは思わない あの部屋にだけ帰りたいんだ
●水の中沈む姿を想像する その死はとても優しいと思う
●部屋の中慟哭しながら理解した この世に神は不在であること
●階段をのぼりながらのおとしもの 暗がりの中みえなくなった
●道端の期限切れした定期券 思い返さぬ青春の日々
●空見上げ海の蒼色思い出す 同じあおならば水に浮かびたい
●文明を今以上にすすめないで 別れを惜しむ時間がほしいの
●繋がったつもりになった電話口 ほんとの君は今何してる?
●ヒーローに憧れていた午前九時 ヒーローを待つ 午後十時
●地下鉄で別れを告げた手の中に 送信エラーの「また会いたいよ」
●走行中すれ違った灯りの中携帯いじる自分が一人
●街灯も消えてしまった街中で 機械仕掛けのホタルを探す
●目をふせて「そんなことない」言う君の謙虚さこそが美しいんだ
●たおやかに人を愛する乙女らに したたかな花咲きますように
●「幸せは歩いてこない」知ってるよ 生け捕りにして飼い殺すんだ
●生き死にのシーソーゲームぎぃこんと どちらの端も振り回される
●ふれたくて ふれていいのか わからない 恋から人は逃れられない
●見上げると目が合う君を残したい カメラ越しの恋する人へ
●開いてる扉の奥に私あり 奥の扉にまた私あり
●水も火も薬も傷も君となら 二人ぼっちでいってみたいよ
●二十歳の日ぼくの祝いで初キスを 時間の止まる君と乾杯
●幾重にも重なる夢が優しいから おやすみなさいと夜にくちづけ
●閉まるドア その内側で「なんでなの」 答えがほしくてきいたんじゃない
●ころころと積み木遊びの数遊び くずれた式も定理にはめて
●この花か それともこれか あの花か 「一番」なんて私にないの